静電気の抜き方と静電気が通りにくい生地の選び方

この記事の監修者岩本悠資: 所属：岩本繊維株式会社代表取締役; 出身：1983年10月京都生まれ

経歴	同志社大学経済学部卒業。広告代理店入社、営業部配属。岩本繊維入社後、日本全国の寝具専門店、家具店などの小売店への卸営業活動を経て、自社ECサイト「Living Mahoroba楽天店」「つくるパジャマ」オープン。睡眠健康指導士のアプローチで快眠に関する知識や寝装品、パジャマ選びなどの情報をブログで発信。
資格	上級睡眠健康指導士（第553号）、日本睡眠教育機構所属。（https://jses.me/）通販エキスパート検定3級（310010270093）、一般社団法人通販エキスパート協会所属。（https://tsuhan-exa.org/）京セラ創業者稲盛和夫氏を塾長とする経営勉強会「盛和塾」所属。（盛和塾は2019年12月閉塾）(https://www.kyocera.co.jp/inamori/contribution/seiwajyuku/about.html)
趣味	寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒

「バチッ」とした静電気はとっても嫌ですよね。特に冬に悩まれる方も多いはず！今回は、静電気をなるべく抑える方法をご紹介していきます！

1．静電気はなぜ起きる？

静電気とは、物質内にたまった状態の電気のことを指します。人間の体を含め、どんな物質もプラスとマイナスの電気を持っています。プラスとマイナスの電気量が釣り合うと静電気は起こりません。
ですが、摩擦などの原因でプラスとマイナスの電気量が崩れそれらが溜まると静電気が発生します。

ちなみに水は電気を通しやすいため、空気の水分が多ければ多いほど放電が進みます。例えば、湿度の高い夏は空気中の水分を通すことで自然と放電されていきます。
ですが、冬は乾燥により空気中の水分が少ないため放電されにくく静電気が発生しやすくなってしまうのです。

2．静電気が起きる原因

それでは私たちがどんな動作をしたときに静電気が発生するのでしょうか？今から詳しく見ていきましょう！

1.接触帯電

接触帯電(せっしょくたいでん)とは物質が接触することで発生する静電気のことです。

下敷きの上に紙を置いたときに紙が離れなくなる現象のことを指します。

このように異なる2つのものがぶつかる、つまり接触すると、片方のマイナスの電気がもう片方へ移動します。この移動によって静電気が発生します。

2.摩擦帯電

摩擦帯電(まさつたいでん)とは、プラスとマイナスの物質を擦り合わせることによって発生する静電気です。

頭に下敷きを擦り合わせると起きる現象です。

このように擦り合わせると接触帯電が繰り返し行われ静電気が発生します。

3.剥離帯電

剥離帯電(はくりたいでん)とは重なっていた物質が離れるときに発生する静電気です。

重ね着した衣類を脱ぐときによく起こる現象を指します。

このように物質を分離させると一部の電子は元の物質へと戻りますが、残った物質は移動した物質の表面に溜まります。溜まった物質が静電気となるのです。

3. 静電気を上手に抜く方法とは？

湿度を上げて静電気を防ぐ

先ほども少し説明をしましたが、水は静電気を通しやすい物質です。
冬は空気中の水分が少なく乾燥しやすいため静電気が発生しやすくなります。なので、空気中の乾燥を防ぐことで静電気を和らげることができます。加湿器などを使い部屋の湿度を上げることで静電気が起こりにくくなるのではないでしょうか。

静電気が起きにくい服の組み合わせ

お洋服の素材選びでも静電気が起こりやすくなっていることがあります。

それぞれプラスとマイナスどちらに帯電しやすいか簡単にまとめてみました。

例えば、「ナイロンとポリエステル」などのプラスとマイナスの服を重ね着すると静電気が発生しやすくなります。
なので、「ナイロンとウール」など同じ帯電しやすい素材を組み合わせることで静電気を少なくさせることができます。

また、水分を含みやすい素材を選ぶのも対策の一つです。例えば、綿や絹などの天然繊維などは水分を含みやすい素材なので静電気が発生しにくくなります。なので水分を含みやすい素材と他の素材を組み合わせて着るのもお勧めです！

柔軟剤や帯電防止スプレーを使う

実は柔軟剤や帯電防止スプレーは静電気対策としておすすめのアイテムなんです！柔軟剤は繊維の滑りを滑らかにするので摩擦を減らし静電気を抑える効果があります。
また、パジャマなどの衣類を天然素材にするだけでなく、寝具類も天然素材にすることでより静電気を軽減することができます。

手に潤いを与える

冬によくあるのがドアノブを触った時や人の手に触れた時などに「パチッ」と静電気が起こりますよね。そんな時はドアノブに触れる前にアルコール除菌や手洗いなど皮膚に水分を入れると電気が空気中に逃げ静電気を防ぐことができます。手に水分を与えられない場合は水分を含んでいる木やコンクリートなどの素材に先に触れるといいでしょう。

また、ハンドクリームなど肌を保湿できるアイテムも静電気を防いでくれます。体の動く部分(摩擦が起きやすいところ)に静電気は発生しやすいので脇の下や胸回りなど汗が発生しやすい所に塗るとより効果的です！