綿100％パジャマの特徴とおすすめのご紹介

パジャマは天然素材の綿100％が良いと聞くけど、実際どういいの？
今回は知っておくと必ずトクする、綿パジャマのメリット・デメリットを繊維のプロがご説明いたします！さらに季節ごとのおすすめパジャマもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

1.綿パジャマとは

木綿（もめん）・コットン繊維で作られたパジャマ

わたしたちが普段、パジャマの洗濯絵表示などで見かける「綿（めん）」は正しくは「木綿（もめん）」です。
アオイ科ワタ属の多年草の総称であるワタの種子から出てくる白い綿毛、いわゆるコットンボールを原料にした繊維のことです。

綿と書いて「わた」とも読みますが、本来は塊状の繊維全般を指す語であり、布団や座布団の中身を繊維の種類を問わず「綿（わた）」と呼ぶのが本来の使い方です。

ちなみに、絹を原料にした綿（わた）を真綿（まわた）と言います。

パジャマによく使われる天然繊維としては、綿、麻、絹などがありますが、英語表記にすると、次のとおりです。

綿→コットン（Cotton）
麻→リネン麻（Linen）、ラミー麻（Ramie）
絹→シルク（Silk）

2. 綿パジャマのメリット

吸放湿性が高いので蒸れない

人は寝ている間でもコップ1杯分の汗をかきますが、ダラダラと流れる液体としての汗だけでなく、皮膚から気体として出る汗が出ます。
パジャマと体の間に生じる、この気体としての汗、湿気を取り除かないと蒸れる原因となってしまいます。そのために吸湿性の高い素材選びが重要になりますが、そもそも吸湿性とはなんなのか、以下のように説明することができます。

気体としての水（水蒸気あるいは分子状の水）を吸収する性質を吸湿と呼ぶ。一方、繊維表面の穴、溝および繊維と繊維の間に液体状の水を毛管現象により取り込む性質を吸水性と呼ぶ。天然繊維や再生繊維は、分子内に-OH、-KH₂、-COOH、-CONH-などの水と親和性の高い原子団を多量に有しているため吸湿性が高い。繊維内部には結晶部分と非晶部分が共存するが、吸湿は非晶部と結晶部表面で起こるので、吸湿には化学構造だけでなく、結晶-非晶の比率や微細構造も影響する。一例をあげると、レーヨンは綿と同じ化学構造のセルロース繊維であるが綿よりも吸湿性は大きい。

引用元：一般社団法人日本衣料管理協会刊行委員会「第1部　繊維に関する一般常識」『繊維製品の基礎知識』,一般社団法人衣料管理協会,2016年12月,23ページ

上記で示されているように繊維の構造や性質が吸湿性や吸水性に関係していることが分かります。

繊維の吸湿性を示す下記の等温吸湿曲線では、一定の温度環境（25℃）での相対湿度の変化に対する各繊維の水分率の変化を表しています。各曲線の変化を見てみると、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維に比べ、綿や絹、羊毛等の天然繊維の方が水分率が高い＝吸湿性が良いということが分かります。
しかし、水分率は湿度だけでなく温度にも影響を受けるので商取引の際には一定状態（温度20℃、相対湿度65％）での水分率を基に公定水分率が決められています。

引用元：一般社団法人日本衣料管理協会刊行委員会「第1部　繊維に関する一般常識」『繊維製品の基礎知識』,一般社団法人衣料管理協会,2016年12月,23ページ,24ページ

また、綿繊維は吸湿性だけでなく、放湿性に優れているので吸った湿気をよく放出し、蒸れにくいです。吸放湿性の指標である⊿MRという数値がありますが、一般的な目安としては5％以上で優れていると言われていますが、綿は5％前後という優秀な数値が出ます。
実際には1％程度あれば蒸れ感はそこまで感じにくいかと思います。（実際の体感と検査協会の方の見解）
逆に蒸れを感じやすいポリエステルですと0.5%未満などの数字が出やすいです。
つまり、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維は吸湿性がなく蒸れやすいため、パジャマには不向きと言えます。

また、公定水分率の表からもわかるように、綿以外の天然素材で、麻や絹・シルクなども吸湿性に大変優れています。

肌触りがよい

糸の太さ、織り方などによって、生地の肌触りはだいぶ変わりますが、麻のパジャマなどはシャリ感があるのに対し、綿100％のパジャマはどれも比較的柔らかく肌触りがよいものが多いです。

洗濯で汚れがとれやすく清潔

ヒトの新陳代謝は睡眠中が一番活発になるため、パジャマには皮脂汚れがいっぱい。
本来は下着同様、毎日洗うべきですよね。
綿は「親水性」で、洗濯すると水とくっつこうとするため、パジャマに付着した皮脂汚れなどが取れやすいので、パジャマには最適な素材です。

ちなみに、ポリエステルなどの化学繊維は「親油性」で、洗濯をしても油とくっつこうとするため、汚れが取れづらいため、直接素肌に着るパジャマにはやはり不向きです。

耐久性がある

シルクなどのデリケートな素材に比べ、綿は比較的丈夫なため、毎日の洗濯でも生地がすぐに劣化することはありません。
綿パジャマはきちんとしたお手入れをしていれば、頻繁に着用しても2～3年はもつ場合が多いです。
お手入れといっても、家庭用洗濯が可能なものがほとんどなので、洗濯絵表示はきちんと確認してさえいれば、特に取扱いが難しい綿パジャマは少ないです。

静電気がおきにくい

静電気はモノとモノが摩擦することで発生し、そのモノ同士の「帯電性」が離れれば離れるほど、強い静電気が生じます。
綿パジャマを着ていても、ポリエステルやアクリル繊維のものとの着合わせは悪く、静電気が感じやすいですが、人の肌と近い帯電性のため、綿パジャマは肌にやさしいといえます。

関連記事はこちら
静電気が起こりにくいパジャマの選び方と対策

3. 綿パジャマのデメリット

シワができやすく、縮みやすい

織り上がった生地はテンション（張力）がかかった状態になっているため、これを緩和する工程があります。
この緩和する工程が不十分な綿パジャマだと、綿繊維は吸水性が高いゆえ、洗濯で水分を吸収することで、引っ張られていた糸が自然な長さに戻ろうとして、縮んでしまいます。
また、親水性の繊維には、「水を吸うと膨れる」といった性質があり、水を吸い込んだ綿繊維は、繊維の直径が20%近く大きくなり、乾燥し水分がなくなった際に繊維の元の配列がくずれ、生地にシワができます。
ただ、1回縮んだ後はそこまで縮まないのでご安心ください。

【縮んだ綿ニット生地】

ちなみに、ガーゼパジャマや、サテンパジャマなどの織物に対して、ニットパジャマなどの編物の方がより縮みますが、吊り干しすると伸びてしまうため、結果的に元通りくらいになる場合もあります。

また、ポリエステルは吸水性がないため、シワになりにくく、縮みにくいです。
外着やシワになると困る衣服など、ポリエステル繊維を使い分けることも大切です。

冬は乾きにくい

綿パジャマは吸水性が高いため、洗濯後に綿繊維がたっぷりと水分を吸ってしまいます。
夏の暑い時期にそこまで厚手でない綿パジャマであれば、すぐに乾きますが、冬の寒い時期に厚手のパジャマだと乾きづらいです。

また、ポリエステルなどの化学繊維は吸水性がないため、速乾性が高いです。
ちなみにポリエステル生地に水をかけたときに水を吸っているように見えますが、繊維自体が水を取り込んでいるのではなく、繊維と繊維の間を水が通過しているだけです。

4. 夏におすすめの綿パジャマ

かるふわガーゼパジャマ

綿100％の1重ガーゼパジャマ
こちらのパジャマの特徴は、

• 抜群の通気性で蒸れずに涼しい
• 驚くほどの軽さ（一般的なパジャマの約半分の重量）
• 和晒製法ならではの柔らかさ

とにかく肌触りが気持ちいい。さらに洗濯するほどにふわふわ柔らかく、肌になじむ感触。
軽くて涼しく、抜群の通気性で蒸れない。夏に一番人気のパジャマです。

さらっと爽やかサッカーパジャマ

綿100％の先染めストライプパジャマ

• ポコポコした生地表面でサラっと気持ちいい
• 播州織の先染めストライプで見た目も爽やか

たて糸に縮率の違う糸を何本かおきに配列することで、ポコポコとした表面になるサッカー生地。
凹凸があることで肌にあたる面積が少なくなり、ベタつきにくくサラっと爽やかな肌触りです。
麻は苦手だけど、綿の柔らかさと、ベタつかないシャリ感がほしいという方におすすめのパジャマです。

ふわっとべたつかないリップルパジャマ

綿100％のエアリーリップルパジャマ

• ポコポコした生地表面でふわっとべたつかない
• 80番手ローン織で軽くて柔らかい

夏素材としてべたつかないサッカー、しじら、縮みなどの生地はどうしても肌触りにシャリ感がでてしまうので、べたつかないけど、もっとソフトなものがほしい！という方におすすめなのがこちらのリップル生地です。さざ波を意味するリップル加工でポコポコした波のような生地表面が肌に密着せずさらっと快適！80番手の極細糸でローン織しているので、とっても軽くて柔らかです。

柔らか涼感のニットサッカーパジャマ

綿100％のべたつかないストレッチ素材！

• 「針抜き」手法で凹凸のある生地表面でさらっと爽やか
• ニットなので伸縮性があり柔らかな肌触り

夏素材で柔らかさを重視される方に一番おすすめはこちらのニットサッカーパジャマ。
ニット素材は肌沿いが良くなる分、織物に比べ、シャリ感が低く、はりつかなさは劣りますが、凹凸のあるサッカー地なので、べたつきにくく爽やかで、ストレッチ性がありリラックス感たっぷりです。
さらに手間のかかる「針抜き」という手法で凹凸を作り、シボ感を出すことで、軽量化、通気性を確保しています。

綿100％のパジャマ以外にも夏におすすめの天然素材パジャマはこちらから

5. 春秋におすすめの綿パジャマ

ふわふわ柔らかガーゼパジャマ

綿100％のダブルガーゼパジャマ

• 通気性がよく、適度な保温性がありつつも蒸れない
• 和晒製法ならではの柔らかさ

目の粗いガーゼを2枚重ねて部分的に接結して織りあげているため、ガーゼとガーゼの間に空気層ができ、適度に保温性がありつつも、通気性に優れているため、熱がこもらず蒸れません。
「寝る前は少し暑いけど、朝方はけっこう寒い」そんな季節に最適なまさに体温調整をしてくれる素材です。

40オーガニックコットンダブルガーゼパジャマ

オーガニックコットン100％のダブルガーゼパジャマ

• 環境にも、人にもやさしいオーガニックコットン使用
• 優れた通気性と、適度な保温性で長いシーズン快適
• 和晒製法で特別柔らかな仕上がり

「農場と紡績工場の特定」ができる、TRACEABLE（追跡可能な）トルコオーガニックコットンを使用。ガーゼの柔らかさを最大限引き出す和晒製法で使い始めから柔らか、お洗濯後もふわふわです。また、2枚のガーゼ間に空気の通り道が多くでき、通気性に優れながらも程よい保温性もあるのでオールシーズンおすすめです！

やわらか天竺ニットパジャマ

綿100％の薄手の天竺ニットパジャマ

• 40番手糸でとっても柔らか
• ほどよく伸縮性がありリラックス

上質なTシャツなどに使われる40番手天竺ニット。
伸縮性があるため、寝返りもうちやすく、リラックスした着心地です。
薄手なので、春秋に最適な保温性です。

スーピマ超長綿パジャマ

スーピマ超長綿100％のサテンパジャマ

• 美しい光沢と滑らかな肌触り
• 80番手の極細糸だから軽い（一般的なパジャマに比べて30％軽量化）

綿サテンパジャマならではの美しい光沢。
世界三大コットンの一つ、スーピマコットンの超長綿を80番手の極細糸にすることで、
シルクのようなとろけるような肌触りが特徴です。
身に付けるだけでラグジュアリーな気分になれる大人のパジャマです。

両面パイルニットパジャマ

綿100％のさらっとソフトな爽やかさ

• ストレッチ性があるリラックスタオル素材
• 汗をよく吸い、べたつかない爽やかさ

実は珍しい両面パイル（タオル）地のニット素材です。
両面タオル地だと、基本的には織物でストレッチ性がない。
パイルニットだと基本的には裏面がパイルではない。ということがほとんどなんです。
こちらの両面パイルニットは世界でも数台しかない編み機でつくられた希少な生地で、タオル地としては非常に軽く、ストレッチ性があるので、リラックス感たっぷり！
適度な保温性で汗もよく吸うので、少し汗ばむこともある春秋の季節におすすめの素材です。

綿100％のパジャマ以外にも春秋におすすめの天然素材パジャマはこちらから

6. 冬におすすめの綿パジャマ

コットンムースパジャマ

綿100％のスムースニットパジャマ

• 滑らかで柔らかな肌触り
• 伸縮性がありリラックス

スムースニットの名前の由来通り、滑らかで柔らかな肌触りが特徴です。
ほどよく厚手で、肌沿いがよく体にすいつくようにフィットするため、体温逃がさず保温が持続します。
伸縮性があるため、寝返りもうちやすく、リラックスした着心地です。

3重ガーゼパジャマ

• 温かくても通気性がよく蒸れない
• トリプルワッシャー加工で特別ふっくら、柔らか

綿100％の3重ガーゼをトリプルワッシャーという洗い加工をすることで、さらにふっくら柔らかにしています。
ガーぜとガーゼの間の空気層が保温性を高め、毛布並の温かさというデータがとれています。
また抜群の通気性で温かくても蒸れないのが、最大の特徴です。

裏起毛スウェットパジャマ

• フリースに負けない抜群の温かさ
• 首元、手首、足首をしっかりガード

全て綿100％の裏起毛スウェットパジャマです。
首元、手首、足首をしっかりガードした、当店で一番のあったかパジャマです。

冬のルームウェアにもおすすめ！ あったか素材の冬用パジャマ とにかく寒がりな方におすすめのあったか裏起毛スウェットや、保温性にすぐれ、吸湿性がありムレない、スムースニットや三重ガーゼなど。様々な冬用のパジャマを揃えました。デザインも長袖前開きのスタンダードなものから、首元もあたたかい立ち襟タイプやかぶりなど豊富なラインナップです。 冬用パジャマの商品一覧はこちら　▶

ガーゼやサテン、ニットなどの肌触りの良い素材 綿100%でお肌に優しいパジャマ 衣類や寝具などに使われ、私たちの暮らしの中で最も身近な天然素材、綿。吸湿性、吸水性に優れ、肌触りが気持ちよく、からだにやさしい繊維です。ガーゼやサテン、ニット、オーガニックコットンなど豊富な種類をご用意。 綿100%の商品一覧はこちら　▶