パジャマペディア
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ガーゼパジャマの特徴と人気のパジャマをご紹介【2024年版】
- この記事の監修者岩本悠資
- 所属:岩本繊維株式会社 代表取締役
- 出身:1983年10月 京都生まれ
経歴 | 同志社大学経済学部卒業。 広告代理店入社、営業部配属。 岩本繊維入社後、日本全国の寝具専門店、家具店などの小売店への卸営業活動を経て、自社ECサイト「Living Mahoroba楽天店」「つくるパジャマ」オープン。睡眠健康指導士のアプローチで快眠に関する知識や寝装品、 パジャマ選びなどの情報をブログで発信。 |
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資格 |
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趣味 | 寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒 |
ベビー用品などでよく見かける、肌にやさしいイメージのガーゼパジャマ。
パジャマやシーツなどの繊維製品に使われるガーゼ生地の特徴と今人気のパジャマをご紹介します。
1.ガーゼパジャマとは目の粗い平織生地のパジャマのことです。
パジャマやシーツなどの繊維製品に使われるガーゼ生地は、糸の太さにもよりますが、打込み本数(※)100本前後のものを言います。
一般的なワイシャツなどのブロード生地が打込み本数200本前後なので、倍くらいの目の粗さです。
ガーゼケットなどの場合、パジャマよりも太い糸を使うので、打込み本数はもっと少なくなります。
また、傷を手当する医療用のガーゼはほとんど綿100%であることに対し、パジャマに使われるガーゼ素材は綿100%以外にも麻、シルク、ウールなど様々な糸の原料が使われます。
※生地1インチ(=2.5cm)間のタテ糸とヨコ糸の合計本数。生地の目の粗さをあらわし、厚みなどの目安となります。スレッドカウント(TC)とも言います。
2. ガーゼパジャマの特徴
通気性がよく蒸れにくい、柔らかいので肌にやさしい
その目の粗さから抜群の通気性で、熱がこもりにくく、蒸れを感じにくいのが特徴です。
また、その目の粗さからとても柔らかく、赤ちゃんの肌着にも使われるほどお肌に優しいです。敏感肌の方にもおすすめです。
洗濯するたびにふわふわで肌になじむ
ガーゼといえば、洗えば洗うほどにふわふわとふっくらとした風合いになるのが特徴です。
くたっとして柔らかく、どんどん肌に馴染んでいく感じです。
他の生地だと最初の柔らかさや滑らかさが洗濯のたびに少しずつなくなっていくのに対して、ガーゼはどんどん気持ち良くなっていく。
まさに育てるパジャマですね。
ガーゼを重ねて部分的に結合した多重ガーゼもあります
ガーゼパジャマだとダブルガーゼのものが一般的に多いですが、これは目の粗い平織のガーゼを2重織りしたもので、織り段階で、生地を2重にしてタテヨコ約2cm間隔で糸でとめています。
ただ、ダブルガーゼパジャマの中にはダブルガーゼの生地を使わず、1枚のガーゼを2枚重ねて縫製しているものもあります。
この場合、生地同士は点結されていません。こちらも原料は綿のものが多いですが、麻やシルクなどもあります。呼び名としては、2重ガーゼともダブルガーゼとも呼ばれます。
他にも3重ガーゼ、4重ガーゼ、さらには8重ガーゼなどの多重ガーゼもあります。目の粗さや糸の太さにもよりますが、多重になればなるほど基本的には保温性が増します。
ちなみに4重以上の多重ガーゼはパジャマというより、ケットなどで使われることが多いです。
3.ガーゼパジャマのデメリット
伸縮性がない
ガーゼに限らず、織物は基本的に伸縮性がありません。なので、ガーゼやサテンなどの織物のパジャマを選ぶときは、前開きタイプなどの着脱のしやすいものを選びましょう。ちなみに伸縮性があるのはニットなどの編物です。伸縮性があれば、かぶりタイプでも着脱がしやすいです。
洗濯するとくたっとした見た目になる
洗濯を繰り返すと、柔らかくなると同時に生地の見た目的にはくたっとしていきます。その風合いの変化もガーゼ好きには楽しめるところですが、ピシっとした見た目が好きな方だとアイロンを当てるなどの一手間が必要です。また、天然素材の綿や麻などは特に、洗濯後シワができます。
4. 春秋に人気のダブルガーゼパジャマ
体温調整をしてくれる
通気性、吸水性に優れているので、湿度が高く暑いときには熱や湿気がこもりにくく、ガーゼとガーゼの間に空気がたっぷり含まれることで、寒いときには適度な保温性があるという、いわば体温調整をしてくれるような生地です。
暖かかったり寒かったりする春や秋の季節に最適で、湿度が高く、四季がある日本向きのパジャマと言えます。また洗えば洗うほどくたっと柔らかく、ふっくらボリューム感が増します。
優れた耐久性
2重とはいえガーゼといえばやはり繊細なイメージがあるかもしれませんが、実はダブルガーゼは抜群の耐久性です。糸の太さや打込み本数などの規格によって一概にはいえませんが、当店のダブルガーゼは一般的なワイシャツなどのブロード生地と比べて、引裂強度※(たて35.2N、よこ40.2N)が約5倍もあるので、非常に丈夫です。
※引裂強度とは、織物を引き裂いたときの強さのことで、寝装品では厚地で10N(ニュートン)、薄地で7N以上が品質基準とされることが多いです。
和晒製法ならではの特別な柔らかさ
手間暇かけた昔ながらの和晒製法なので、柔らかさも格別です。
>和晒ガーゼパジャマの詳しい記事はこちら
生地にストレスをかけない、ガーゼの風合いを最大に引き出しています。
5. 夏に人気の1重ガーゼパジャマ
とにかく涼しくて、軽い
1重ガーゼパジャマはその名のとおり、ガーゼ1枚だけのパジャマです。
1重ガーゼなので、とにかく涼しい!さらに一般的なパジャマと比べ、重量も半分なので、まるで着ていないかのような軽さです。
またこちらも和晒製法なので、柔らかさも格別です。
ガーゼ1枚だけど優れた耐久性
1重ガーゼだと生地として強度の面が弱いのではないかと思われるかもしれませんが、ガーゼにもかかわらず、一般的な綿ブロード生地より強く丈夫だという結果がでています。毛玉についても、ピリング試験も3.5級で一般基準程度で安心です。
6. 冬に人気の3重ガーゼパジャマ
とにかく温かい!でも蒸れずに快適
通常の3重ガーゼをエアータンブラー加工することでふんわり感が1.5倍になった冬のあたたかガーゼパジャマです。
ふんわり感が1.5倍になると空気層も増え温かさも抜群。毛布並に温かいというデータもでています。
そして、温かいけど抜群の通気性で蒸れずに快適です。
>3重ガーゼの開発秘話はこちら
洗い加工による使いこんだようなシボ感が◎
トリプルワッシャーと呼ばれる三段階の洗い加工(液流晒→液流染色→エアータンブラー加工)をすることで、生地に独特のシボ感が生まれます。
アパレルだと、ダメージ加工や洗い加工などできれいな見た目よりも最初から使いこんだような見た目のものを採用されていますが、こちらの3重ガーゼも最初からくたっとしたシボ感がおしゃれです。
7.まとめ
ガーゼといえども種類がいっぱい!季節にあわせたガーゼパジャマを
夏には涼しい1重ガーゼ、春秋には適度に保温性のある2重ガーゼ、冬には保温性の高い3重ガーゼがおすすめです。また、夏用や湿気をより逃がすような機能を求めるなら、綿100%のガーゼではなく、麻が入ったものなども良いでしょう。洗濯絵表示や商品説明をきちんと読んで、ご自身に合ったガーゼパジャマをお買い求めください。
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