パジャマペディア
繊維、生地などの素材のこと。睡眠、健康のお話までパジャマ、睡眠百科事典です。
【2024年版】冬パジャマを徹底比較!選び方のコツとおすすめ素材のご紹介
- この記事の監修者岩本悠資
- 所属:岩本繊維株式会社 代表取締役
- 出身:1983年10月 京都生まれ
経歴 | 同志社大学経済学部卒業。 広告代理店入社、営業部配属。 岩本繊維入社後、日本全国の寝具専門店、家具店などの小売店への卸営業活動を経て、自社ECサイト「Living Mahoroba楽天店」「つくるパジャマ」オープン。睡眠健康指導士のアプローチで快眠に関する知識や寝装品、 パジャマ選びなどの情報をブログで発信。 |
---|---|
資格 |
|
趣味 | 寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒 |
寒い冬に着るパジャマを選ぶポイントは暖かさ以外にも蒸れにくさや軽さ、リラックスできる伸縮性など様々な要素があります。今回はつくるパジャマの冬用暖かパジャマを各項目で徹底比較して選び方のコツをご紹介します。ぜひご自身に合った冬パジャマを見つけてみてください。
1.暖かさランキング
暖かさの目安は「保温率」!
とにかく寒がりな方は暖かさの目安である「保温率」の高いものを選びましょう
保温率とは、人と衣服の間が暖まるスピードや暖かさの度合いです。
保温率は値が高いほど暖まりやすく、値が低いほど暖まりにくいということになります。
目安としては、あったか肌着で16%程度、フリース素材で50%程度ですので、20%超えると暖かさを感じ、30%でかなり暖かい方、40%以上で極暖と言っても良いかと思います。
保温率ランキング
1位:コットンウール6重ガーゼ(保温率57%)
2位:コットンフリース(保温率49%)
3位:キルトニット(保温率43%)
4位:裏起毛スウェット(保温率34%)
5位:3重ガーゼ(保温率29%)
6位:スムースニット(保温率22%)
保温率と生地の厚みはほぼ比例しました
生地が厚いほど暖かいと思われている方も多いのではないでしょうか?
一概には言えないかと思うのですが、当店6種類のパジャマは全て比例しました。
生地が厚いと透けにくいメリットはありますが、デメリットとしては重くなりやすく、着膨れ感が出てきます。
※つくるパジャマ調べです。多少計測誤差の可能性があります。
生地の厚みランキング
1位:コットンウール6重ガーゼ(1.61mm)
2位:コットンフリース(1.45mm)
3位:キルトニット(1.41mm)
4位:裏起毛スウェット(0.95mm)
5位: 3重ガーゼ(0.72mm)
6位:スムースニット(0.67mm)
2. 触った瞬間の温もりランキング
ひやっとしない目安は接触冷温感
パジャマに着替えた瞬間に「う~冷たい!」という感覚の目安は接触冷温感の数値であるq-max値になります。q-max値が0.2W/c㎡未満で暖かさを感じる目安と言われ、ふわふわ起毛された触った瞬間に暖かいイメージのマイクロファイバーで0.1 W/c㎡程度、逆に夏のヒンヤリしたイメージの麻で0.27W/c㎡程度と言われています。
接触冷温感ランキング
1位:コットンフリース(Q-Max値 0.058W/c㎡)
2位:裏起毛スウェット(Q-Max値 0.110 W/c㎡)
3位:キルトニット(Q-Max値 0.125 W/c㎡)
4位:コットンウール6重ガーゼ(Q-Max値 0.143 W/c㎡)
5位:3重ガーゼ(Q-Max値 0.194 W/c㎡)
6位:スムースニット(Q-Max値 0.212 W/c㎡)
3. 蒸れないランキング
蒸れにくさの目安は「吸放湿性」!
暑がり、汗かきの方は「吸放湿性」が高いものがおすすめです。
吸放湿性とはその生地がいかに湿気を吸って、その湿気をいかに放出するかの指標になり、ΔMR(デルタエムアール)という数値が高ければ高いほど蒸れにくいということになります。
目安としては5%以上で優れていると言われていますが、実際には1%程度あれば蒸れ感はあまり感じにくいかと思います。(実際の体感と検査協会の方の見解)
逆に蒸れを感じやすいポリエステルですと0.5%未満などの数字が出やすいです。
吸放湿性ランキング
1位:スムースニット(ΔMR 7.1%)
2位:コットンウール6重ガーゼ(ΔMR 5.1%)
3位:3重ガーゼ(ΔMR 4.8%)
4位:裏起毛スウェット(ΔMR 3.8%)
5位:コットンフリース(ΔMR 3.5%)
6位:キルトニット(ΔMR 0.8%)
綿などの天然素材を選ぶと蒸れにくい
人は冬場でも寝ている間にコップ一杯分の汗をかきます。
保温力に優れ、体が温まれば温まるほど、体から出る水蒸気としての汗をパジャマが吸収し、放出しなければ、不快な蒸れ感と同時に、結露となった湿気が体を冷やしてしまいます。
ポリエステルなどの化学繊維は吸湿性、吸放湿性が非常に低く、夜間に蒸れやすいので、綿などの天然素材を選ぶようにしましょう。
4.軽さランキング
リラックス感をお求めなら軽いものを選びましょう
肩こりが気になる方や関節症でお悩みの方なら出来る限り軽いパジャマの方が良いですよね。
パジャマの生地は暖かさに比例にして重たくなる傾向があるので、ご自身にとって暖かさと軽さのバランスが取れたものを選ぶことをおすすめします。
軽さランキング
1位:3重ガーゼ(537g)
2位:スムースニット(542g)
3位:裏起毛スウェット(687g)
4位:コットンウール6重ガーゼ(765g)
5位:コットンフリース(908g)
6位:キルトニット(997g)
※こちらはメンズMサイズのかぶりデザインの重量になります。
重量はデザイン、サイズによって異なるので、あくまで比較のご参考にしてください。
5.伸縮性ランキング
寝返りがしやすく、着脱がしやすいのは伸縮性のあるパジャマ
ガーゼなどの織物は伸縮性が乏しいですが、ニットなどの編み物はストレッチ性がきいて、着脱もしやすく、睡眠中も寝返りにストレスが少ないため、快眠の妨げになりにくいというメリットがあります。
伸縮性ランキング
1位:キルトニット
2位:スムースニット
3位:裏起毛スウェット
4位:コットンウール6重ガーゼ
5位:コットンフリース
6位:3重ガーゼ
※つくるパジャマ調べです。多少計測誤差の可能性があります。
—————————
(ユニチカガーメンテック社に依頼した試験データに基づいています)
6.まとめ
とにかく暖かさをお求めならコットンウール6重ガーゼ
驚異の保温率57%!これ以上に暖かいパジャマは他にないのでは?と思うくらいに暖かいパジャマです。
しかも蒸れにくさの指標となる吸放湿性にも大変優れています。
重量が重めなのと、伸縮性に乏しいのが惜しいところです。
また、生地が厚く内寸をとられるので、他の生地の同じサイズよりも小さく感じるのと、縫い目滑脱を起こしやすいので、余裕をもったサイズ感、1サイズ大きめなどを選ばれることをおすすめします。
ふわふわ暖かいフリースのような肌触りをお求めならコットンフリース
接触冷温感Q-Max値で驚異の0.058W/c㎡、マイクロファイバーの倍ほどヒヤッと感のない肌触り。
さらに保温率も抜群なので、とにかく温もりを感じていたい方におすすめです。
また裏起毛と違い、表面もふわふわしているので、いつでも、どこに触れても暖かい、ヒンヤリしないという感じです。
デメリットとしては6重ガーゼと同様、重量が重めなのと、伸縮性に乏しいところですね。
また洗濯を10回程度繰り返すと起毛部分が若干硬くなるので、できるだけふわふわさせたい方は柔軟剤を使われることをおすすめします。
高い保温力と伸縮性をお求めならニットキルト
保温率も抜群に高く、さらに伸縮性も高いので、暖かくリラックスしたご着用感です。
ただ、重量が一番重たいことと、吸放湿性が低いことがデメリットですが、吸放湿性はΔMR1%近くあるので、蒸れやすいということはないので、ご安心ください。
保温性、伸縮性などバランスの良さをとるなら裏起毛スウェット
優れた保温力で、伸縮性もあり、起毛ならではのヒヤっと感もなく、重量もそこまで重たくなく…といった具合で非常にバランスが良いのが裏起毛スウェットです。
デメリットが特にないくらいです。
こちらも洗濯を10回程度繰り返すと起毛部分が若干硬くなるので、柔軟剤を使われるのがおすすめです。
冬パジャマで人気No.!とにかく冬もガーゼを使いたいという方は3重ガーゼ
ふわふわした柔らかい肌触り、洗えば洗うほどふっくらしていくのがガーゼの特徴。
そんなガーゼが大好きな方、冬でもとにかくガーゼを使いたいという方には3重ガーゼがおすすめです。
こちらも冬パジャマとしては非常にバランスが良いと言えます。
保温性も高く、抜群に蒸れにくく、重量も冬パジャマの中では一番軽い、実は当店の冬パジャマの中でダントツで人気No.1の素材です。
ただ、伸縮性に乏しいのがデメリットです。
蒸れにくさNo.1!とことん心地良さを求めるならスムースニット
他の冬パジャマに比べ、保温力はそこまで高くないものの、柔らかく滑らかな肌触り、伸縮性がありリラックス感たっぷりの着心地、何よりも蒸れにくさがダントツの吸放湿性ΔMR 7.1%!
3重ガーゼの次に人気の冬パジャマです。